[コメント] ギルバート・グレイプ(1993/米)
ハルストレム監督の才能大爆発の名作。そして役者たちも最高の演技を披露。ルイスの自由さ、ディカプリオの無垢さ、そしてデップの根底に流れる実直さのリアルな表現に感嘆。何度観ても胸熱くなる心優しきヒューマン・ドラマ。傑作。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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単純な人情映画だったら邦画も得意。でもこの作品はハンディを背負った少年や複雑な家庭背景などストーリーに幅を持たせ、それに青春の描写とユニークさをバランス良く配合している。このセンスは監督の驚くべき才能。さらに、すべてを温度を感じるハートフルな視点で見守っているのには恐れ入る。これだけ人物描写の洞察力にたけ克明に個々のキャラクターを描き、ドラマの構成をきちっと作ってくれると観客も大満足。個人的には死者が二人は多い気がしてそこがちょっと全体のバランスを崩してる印象を受けた。演技に至ってはハンディのある難しい役柄をディカプリオが癖なく演じ切きっていて、そのオーバーになりすぎない瑞々しい感性の素直な表現に舌を巻く。オスカーノミニー納得。デップのやるせなさと自暴自棄さ。繊細さと優しさなど複雑に渦巻く心理を見事に体言した人間味ある演技も必見。ルイスがひと夏に彼らの心に鮮烈に印象を残す役柄をのびのびと演じているのも見所。愛する息子ディカプリオの為に母が外出するシーンは観ていて熱い想いに捕らわれるはず。映画ってこういうものなんだよなっとハッとさせられる魅力がぎっちり凝縮された作品。
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