[コメント] バット・オンリー・ラヴ(2015/日)
男(佐野和宏)が文字通り死ぬ思いをして勝ち取ったのは、余命(やりなおし)と妻への感謝だっただろう。引き換えに失ったのは「声」だ。そんな男を襲った理不尽は圧縮され「絶望の塊」となって胸の内に溜り続ける。感情を爆発させる手段を封印された男の孤独。
途方にくれた男の、やるせない表情が悲しい。そんな夫を前に、諦めにも似た従順さで成すすべもなく従う妻(円城ひとみ)の、寄る辺ない表情が寂しい。二度、地獄を垣間見た夫と妻は、純粋に男と女として再生を目指すのだろう。
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