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[コメント] サカサマのパテマ(2013/日)

このSFアイディアは素晴しい。‘重力をエネルギーに変える実験’なのだ。‘重力を消す’はよく有るが、これは聞いたことが無かった。そして、その結果、真逆になった人々。これも素晴らしい。4点か5点かと観始めたが――、以下2点への降下が続く。   
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず最初は‘ボーイ ミーツ ガール’だが、主人公パテマがいかにも幼な過ぎる画だ。私の親戚の子と同じ歳ほどのキャピキャピした小学生低学年。その子が、男の子と出会った途端、最初から‘おともだち’になっている。‘出会い’も何もあったものではない。もっとも、後半になるにつれて大人びては行くのだが。

そして、上に行ったり下に行ったりと、小さな世界の話になる。

中途で男の子が、「相手の立場になれ」という内容の立派なセリフを繰り返す。これがテーマにつながるのだが、どうもそのシーンにわざと嵌め込んだようにしか聞こえない。

悪者ボスが登場する。何とも卑しい男だ。宮崎駿の悪役を真似たような感じだが、宮崎のはカッコつけ粋ぶってはいるが、卑しくはない。作者は、そこを勘違いしていると思われる。

そして最後の最大の欠点は、観客の殆んどが分からなかった(と思う)点だ。つまり‘この世界は一体どうなっているの?’という疑問だ。やはりこれは、最後のじいさんのシーンで詳しく説明すべきだったと思う。

ところで、話はそれるが、ギャラリー等でアニメの原画展なるものをよくやっている。映画観賞中、‘サカサマに抱き合う2人’とか‘廃墟の街と空の土星(?)’の画を見て、これは原画展映えするな、と思った。

変な事を勘繰るが、この2枚が作者の頭の中に、最初に浮かんだモノだったのではないか?

でもそれはアイディアなので良しとしても、この2枚の画をつなぐ物語(これが当然映画そのものなのだ)が、何と言っても中味が無い。それを自覚していたので、作者は真相迄は自ら明らかにすることをしなかったのではないかと邪推する。

テーマは‘相手と分かり合おうとする努力’だろう―こういう意味の事をじいさんが言う―が、これも取って付けたように希薄で、心まで届かない。

音楽(主題歌)については、ちょっといい。残念ながら(?)映画より(?)、いい。

全体を振り返って、‘可愛さ余って・・・’ということで、2点にする。

(付記) 私もこの世界が、分からなかった。のでググってみた。それで、分かった事をここに記すつもりだったが、「考える楽しみを奪うな」という声も有ろうと思うので、ヒント2つにした。

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  ↓         ‘アイガ’は、ガイア(大地、地球)のサカサマだ

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  ↓          サカサマ人は実はアイガ人だった。     以上。

(評価:★2)

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