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[コメント] 陽炎座(1981/日)

生と死、男と女、金髪と洗い髪の黒髪の様に両極に立つ2極、 そこからおぼろげだが、確実に匂いたつほおずきの香り
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人形ってヤツは面白い。

何故なら、そこに魂が入っている様な気がしてしまうからだ。 裏から見ようが表から見ようが只の人形なのに。

生きている人、そこには魂がある、死んでしまった人これには魂が無い、

では生きている状態から死んだ状態に遷移すると魂はいつどこに行くのであろうか?、と思うと中々風情がある。 (映画の中でほおずき吐き出すシーンとかね。強烈な風情、趣がある)

では、人の姿を型取った人形には魂があるのだろうか?、 又は、傀儡の人形の様なフリをして踊る人には魂があるのだろうか?、 とその狭間の感覚を感じるとえもいわれず恐ろしいが、同時に震える様な美しさをも感じてしまう。 (・・・ちょっと危ないですか私?)

生と死、男と女、金髪と洗い髪の黒髪、 これら両極には確実にその実体があるが、 その狭間には実体が無い、只そこには確実に匂いたつ狂気に似たほおずきの実がある、そんな感じがしました。

そして、この映画で地獄絵の様な屏風絵(?)みたいのが沢山出てきますが、 あれらは皆血まみれの絵が描いてあるのに、映画内では血なんぞ全然出てこないというのも面白い。

あ、後、 今ほおずきを漢字変換したら、ほおずきってこんな字も書くそうな

ほおずき=酸漿=「鬼灯」

・・・なるほど、鬼の灯ですか、またこれも一興だ。

この映画、5つ星にしようかと迷ったけど、4つ星にしました。

ツィゴイネルワイゼンと比べた場合、何だか陽炎座は無理矢理、あちら側へ連れられていった気がしたから。

ツィゴイネルワイゼンの方がいつまにかアチラ側へ連れられていったという感覚がしてスキ。

(評価:★4)

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