[コメント] 充たされた生活(1962/日)
画面の端で別の事柄が撮られているタッチが感じいいセミドキュメンタリー。比較的軽い役処で際立つ有馬稲子の別嬪振り。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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殆どアイドルのプロモビデオ系で、それはセミドキュメンタリーと妙にマッチしている。重たい役柄が多い彼女の映画でこの軽さは貴重。手が犬臭いと繰り返す軽みがいい。三人にモテまくるのも美人ゆえの受難に見える。男の情けなささらけ出すアイ・ジョージがいい。
ドラマは後半、60年安保を背景に怒涛の勢いで運動支援へ舵を切る。特にドラマもなく当たり前でしょ、と云わんばかりのあっけない展開は、玉の輿を投げ捨てた大場ゆかりへの突然の賞賛とパラレルで、私は好感を持つが、まあ、観客を選別する映画ではあるだろう。父上が迫害された共産党員だった有馬らしい作品セレクト。年の離れた原田甲子郎に寄り添う選択は、彼女のファザコンから来たように思われる。
セミドキュメンタリー・タッチは実にいい。冒頭の喫茶店の隣客たちの会話の切り貼りや、有馬と田村高廣が居酒屋で相席の客と交わすやりとりが好きだ。風通しのいい映画。こういう雰囲気は普通の劇映画が忘れているものだと思う。
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