小林旭のいかにも任侠映画然とした主題曲にキャスティングロール。その雰囲気で我々も構えていると、冒頭シーンでいきなりセーラー服姿の松原智恵子の登場。友達としゃべっていて「任侠？」とかなんとか、言ってたような気がするけど彼女の台詞は印象まるでなし。そこへ着流しで、顔にやくざと書いてあるようないでたちの小林旭登場。ゆっくり彼女に近付いてきて何を言うのかといえば、「お嬢さん。学校をサボるとお母さんに叱られますよ。」何だこりゃ。清順映画は観客の予想を裏切り続けるその快感だ。でも、そこにはなにかヒントが隠されている。それが他の監督にない彼の非凡性。