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[コメント] セールスマン(2016/イラン=仏)

いつも厭なざわざわ不安感をあおるファルハディの映画。今回は多少ましだったかな。意外とシンプルで、分かりやすい作品でした。その分ちょっと彼らしき毒性が薄まった感もする。「セールスマンの死」との対比は作家風色付けが見え見えで少々鼻白むが、、。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画で何点か分からないことがあります。

1.彼女は本当に強姦に遭ったのかどうか。

怪我はしたようだが、その怪我も何故そうなったのか分からない。強姦でなかったら、なぜ男はお金を置いていったのか。強姦された女性が演劇出演するだろうか。(舞台ではひどい状態だったが、でも彼女は一応舞台には立った。普通は強姦されていれば舞台に立つ気力はなかろう)

2.ラスト近く。男が前後不覚になっているとき、なぜ救急車を呼ばなかったか。

妻を呼ぶ時間があれば通常は救急車を呼ぶべきだろう。妻が呼び戻しても、救急車を呼ばなかった。(まあ、あそこで呼んでいればこの映画が成立はしないけど、、) 冒頭の、身障者への救急避難との対比がされるが、そこに意味を採るのか。

3.クスリを置き忘れて家族が取りに来るシーンがあるが、普通は忌まわしい男の置忘れものだから、クスリの置忘れに気づき、すぐ家族に届けるのでは。何か、男を死なせるためのファルハディの作為を感じる。

とか、結構、ファルハディの企みの囲いの中で、この映画は成り立っているのですね。これをどう採るかだなあ、、。

(評価:★4)

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