[コメント] イヌミチ(2014/日)
前作『接吻』ほどの突出した感動はない。本作はより周到に準備された映画だという感覚を持つのだが(ホントはどうだか知りませんが)、逆に云うとそれが感動の希薄に繋がっている。脚本通りに撮った映画に見えるというか。
ただし、さらに逆に云うと、準備が奏功して画面のスリリングさは本作も健在だし、面白さということで云えばとても面白い映画だ。スリルについて云えば、イヌになったり飼い主になったり、というプロット上の転換のスリリングさもさることながら、ロー・アングルとハイ・アングルのカット繋ぎがスリルだ。中でも響子が西森の家を訪れて、催眠術をかけられるシーンのカット繋ぎの緻密さには驚嘆する。その後も屋内でのキメ細かなアクション繋ぎとリバースショットが緊張を維持する。この西森の家が、いかにも「昭和の日本家屋」として登場したカットにはかなり驚かされるのだが、全編通して、特にローアングルでの日本家屋の見せ方がこの映画の面白さを生んでいる部分は大きい。西森の家の選択は本作の成功の大きな要因だ。
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