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[コメント] アスファルト(2015/仏)

いかにも仏流の皮肉たっぷりなシチュエーションを扱いながら、次第に心優しい視点にいつの間にか転じている演出法のテクニックはよい。だが、詩情やエスプリは感じられても物語がそこで停滞しているように見えてしまうのは残念。いっそシニックなのか否かに作劇を絞ったほうがすんなり受け入れられたように思われさえする。
水那岐

エレベータをめぐる天邪鬼男の災難など、むしろ徹底的に痛めつけられるばかりの展開でもよいと思われた。この挿話たちのなかでは一番、ひねくれ者の端くれたる自分からすれば身につまされる人物なればこそのことではある。

ラストシーンの説明的カットは、観客に対する監督の老婆心の発露だろうか。自分的には全き蛇足に見えたのだが。

(評価:★3)

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