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[コメント] マクベス(2015/英=米=仏)

今更ながらシェイクスピア、「マクベス」を映画にするのなら、製作者としての思いというか、狙いをこめたものでないとと思うのだが、そういうものがさして感じられず、ぼんやりとした映画になっている。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







画的にも美しい荒野の風景はそこそこ楽しめても合戦シーンなどがスペクタクルなわけでもない。悲劇性というか、人間の業の深さを強烈に描くわけでもない。

あえて言えば、ラストでマクベスを倒した新スコットランド王は玉座の間にいてもどこか不安げで、かたや3人の魔女から将来、王になると予言された幼い息子は戦場で剣を手にするものの、その剣でマクベスの遺体に切りつけるでもなく、赤い闇に消えていく。

このシーンでは新しい王の誕生と、早くもその王位に対する簒奪者を予見して、王位をめぐる争いはこの後も続いていくのだ、権力への野心という罪深いものは消えないのだ、みたいなことを言いたいのかとも思うが、それにしてもぱっとしない映画だった。

(評価:★2)

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