まず「ルーム」内の閉塞感については、脱出の際の解放感という点で十分すぎるくらいの効果をあげているが、いかんせんその時間が長すぎて劇場からの脱出を図りたくなるほどの辛さを伴い、トータルとしては逆効果だったようにさえ感じた。

また、「ルーム」からの脱出にかかる一連の流れ　−特にトラックの荷台からの脱走を試みようとする際の演出という大切なポイント−　に、監督が意図したほどの緊張感が伴なっていないのもどうか。

全体を通して子どもの台詞はよく書けていて、そこにはやはり心動かされたところもあっただけに、その辺りのバランスの悪さは残念だった。