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[コメント] インターステラー(2014/米)

矛盾点があっても愛があれば乗り越えられる
HAL9000

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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いろいろツッコミどころはあるものの、まず特筆したいのはTARSや同シリーズの造形とアクションのアイデアだね。これはカッコよかった。ミラーの星での機動性、効率を優先する思考、くだらないアメリカンジョーク、目的・任務に忠実(犠牲心をもっているかのように)、先読みしてリスクを除いていく周到さ。特にあの機動性にグッときたし、そういうのはHAL9000にはもちろん無かった。CASEとの個体差はいわば“個性”であり設計思想としては個体差をあえて作ることで緊急事態への対応では全滅を防ぐことができるだろう。この頼もしさは『T2』でのT-800を思い出させる。恐ろしい敵が味方になるとあれほどに頼れる、という転換はとても面白いものだった。キリがないのでこれくらいで。

さて気になった終わり方。臨終の間際で冷凍睡眠に入り父親を待ったマーフが遥か年下の「父親」に向かって諭すように「アメリアを迎えに行きなさい」と言う。その手段(宇宙船)も人材も他にいる筈なのに、あえて彼に行かせるのはやはり意味があるから。つまりクーパーとアメリアの間に生まれた愛が成就しないと未来に影響するんでしょうな。だから父親を導く役目を最後に与えられたのかと。「彼ら」から。

愛があればこの作品の矛盾点は乗り越えられるし、愛を盛り込もうとして矛盾が生じたとも言える。Interstellar. Interface. Between Human. ノーラン先生も変わってきたな。

(評価:★5)

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