[コメント] グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札(2014/仏=米=ベルギー=伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
主演したティッピ・ヘドレンも、演じていないグレースの演技と比較することは残念ながらできないが、映画内でニコールが見せた小芝居よりは、はるかに輝いた存在感を示していた(当たり前だ)。
☆ ☆
赤十字って、晩餐会なんか開くんだ。弱者の味方といったイメージがあるから、意外な取り合わせだった。政治家の政治資金パーティみたいな感じで、寄付金でも募るんだろうか。豪華な衣装や装飾、食事にかかる費用より、多くの資金が集まるということだろうか。複雑な気持ちになる。
その晩餐会でグレース(ニコール)の行った演説場面が、本作の見せ場らしい。おでこから上、あごから下のカットされた超どアップが続くんだが、ニコールっぽくない変な表情で映っていて、なぜかピントも甘く、意味不明だった。
晩餐会のあと、ニコールが鏡の前で化粧を落とすほんの一瞬のシーン(鏡越し)が、本作の中で最もグレースの顔立ちを彷彿させる場面だったと思う。
グレースは映画界出身だから、映画好きとしては、彼女の存在を知っていて当然だし、知っておくべきだろう。逆に彼女の作品を2、3本でも見たことのない方が本作を見たら、どういう感想を持つのか不思議だ。
もう1つは、言いにくいんだが、ニコールの容貌に衰えを感じる。映画は、そんなことに係わりなく、立ち居振舞いや仕草、衣装や台詞回しなどで、元ハリウッド女優の華やかさでも王妃の高貴さでも表すことができる。だから本作の敗因は(なにかに敗れたのだとして)、ニコール個人の魅力に頼りきったことにあると思う。もう10年も前に撮られていたら、堂々と成立していたに違いないのだが・・・。
80/100(14/11/22見)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。