[コメント] L.A. ギャング ストーリー(2013/米)
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ジョシュ・ブローリンやショーン・ペンは別に大した働きを見せてはいないし、ライアン・ゴスリングは『ドライヴ』と同じくドヤ顔無表情が鼻につくが、それはまあいいとしよう。
エマ・ストーンが良くない。そもそも童顔・丸顔で妖艶な女を演じてもいまいち様にならないし、この映画の中での役割もはっきりしない。かつてのフィルムノワールに出てくる悪女を想定していたのならば、男を翻弄し破滅させるのが仕事であるはずだ。それなのに逆に男に振り回されてしまっているのだから、一体何のために用意されたキャラクターだったのかよくわからない。
演出も不満だ。銃撃や暴力シーンとなるとそれなりの創意工夫やユーモアを見ることはできる(平地でのチェイス、脱獄の補佐、ラストの殴り合いなど、これらのアクションシーンはギャング映画よりも西部劇のそれを想起させる)。しかしそれ以外の場面――ストーリーに関する部分はほとんど台詞で説明され、役者の演技や細かな演出によって示されることはない。
唯一良かったと言える場面は、靴磨きの子が殺されるシーンだ。先程苦言を呈したライアン・ゴスリングの無表情が却って効果的である。ここで怒りや悲しみを下手に表情に出していたりしていたら胸が詰まるシーンにはならなかっただろう。その後ミッキー・コーエン(ショーン・ペン)を殺しにいく場面も良い。近づいてくるライアン・ゴスリングを見るエマ・ストーンの表情。このシーンを盛り上げることが彼女に与えられた唯一の役目だったと言っても良い。
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