[コメント] LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語(2011/英=米)
実にスコット兄弟らしく、めまぐるしいカッティングで素材を繋ぎ合わせて映画がでっち上げられている。その連想ゲーム的な編集法は作業量こそ気が遠くなるほど膨大だろうけれど、とりわけ大きい効果を持つでもない安直なアイデアだ。後付けの音楽はひとつの例外もなく邪魔。素材提供者を馬鹿にしている。
ま、とは云え、まったく無価値な映画だと云い切るつもりもない。後半以降になって、既に前半で登場した人物が再登場したりすると何だか嬉しい気分にさせられてしまう、なんていうのはケヴィン・マクドナルドの思う壺だ。各国の日常の細部を眺めて自らのそれと引き比べてみるのもやはり興味深くはあるだろう。人種や国籍の別を問わず子供は可愛いな、なんて素朴なことも思う。
それにしても、まさか大丈夫だとは思うけれど、ここに採用された映像素材の撮影者にはちゃんとしかるべき報酬が支払われているのでしょうか。「この人はまたゼニカネの話かえ。おゝ厭だ。くわばらくわばらだよ」なんて思われたら心外だけども、映像なしには成立しない映画の制作にとってこれはむしろ倫理的な問題であるので、とりあえず述べておきました。
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