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[コメント] 少年と自転車(2011/ベルギー=仏=伊)

世の「正しい育児」とはいかに困難な作業であるかを問う物語だ。親が全てを捨てて子供に接しようと、子供は欲望のままに抗う。しかしそれでも諦めない「親」を名乗る者は、その強さをもって「子供」の心に「誇り」をはぐくむ。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







悪によって絡め取られ、心ならずも悪に交わることも、子供にとってはよくあることだ。だが「親」になろうとした女はそれで「子供」を見限ることはせず、正しい道筋を子供に示すことができた。

子供が傷つけた親子からの復讐が彼自身に及び、危うく殺されかかったときも、子供がそれを許すだけの度量を身につけたのは、「親」たる美容師の教えが正しかったからだ。子供はこのことで、自らの都合のみで動く父親を超えることができた。それこそは、美容師が子供のなかに創りあげられた「誇り」であろう。

(評価:★4)

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