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[コメント] 英国王のスピーチ(2010/英=豪)

コリン・ファース演じるジョージ6世と吃音矯正の治療師・ジェフリー・ラッシュとの友情のお話。王族と庶民の対比の面白さ、という部分では、例えば、ラッシュの家と治療室へは、狭いエレベーターを使わないと行けない、なんて描写があるのだが、このあたりは淡泊な描き方だ。
ゑぎ

 ラッシュの診療室と家庭の内装は柔らかい色調で美しい。暖かなイメージを喚起するように作っている。対して、国王の周辺の場面は冷たい光で描かれるが、中盤ぐらいから、広角レンズの使い倒しが気になった。屋外や、宮殿内のロングショットだけでなく、ファースのバストショットなどでも使う。特殊な環境と孤独の強調かも知れないが、見苦しいし、画面が下品になる。

 また、ラジオ放送のシーンが繰り返される関係で、マイクロフォンの映画、と云いたくなるぐらい、マイクロフォンの画面が多いのだが、これだけマイクロフォンを意識的に扱うのであれば、さらに他にも、円形への拘りかがあればいいのに、と思った。

 脇筋にはなるが、エドワード8世とシンプソン夫人がどう描かれるのか興味があったのだが、エドワード8世はガイ・ピアースで、飛行機を自分で操縦し登場する。これは、なかなか意外性のある良い扱いだ。シンプソン夫人については、人々の会話にはのぼるのに、なかなか登場しない、という勿体ぶった描き方なのだが、登場しても、いまいちインパクトがない。また、チャーチルはティモシー・スポール。これもイマイチじゃないか。

(評価:★3)

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