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[コメント] 借りぐらしのアリエッティ(2010/日)

ジブリ、またもクライマックスのない話。少年の人物が掘り下げられないので、ラストシーンにまったく説得力がない。要するに「物語」がないのだ。小人を日本に住まわせたことで生じる様々な違和感もそのまま残っている。ただ、演出と絵は一級品。
ツベルクリン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







小人が何世代もかけて行き着いたのが日本、ってことにすればかなりいろんな齟齬が解決できたと思うけど。

「わすれもの」って、え?日本語で通じるの??って感じで、ここに代表されているように、人間の文化と小人の文化がどう切り結んでいるのか、よく突き詰められているとは思えないのだ。

少年は心臓が悪く両親から疎外されているけれども、それがなぜ「小人」へのああいった視線につながるのかがわからない。更に言えば、なぜ小人が「滅び行く種族」であることを知っているのかもわからない。「死」の介在があるらしいことは想像できるにしろ、そこが十分に描かれないので、最後の「君は僕の心臓の一部だ」なんてセリフにも鼻白むだけ。物語に奥行きをもたせる部分が、ことごとく不十分なまま放置されている。

あと、押入れの床に取っ手がついていて、そこを開けたら小人の家のなんだから、そりゃ、発見されるでしょうよ。あの設定は絶対におかしいと思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ナッシュ13[*] ペンクロフ[*] カルヤ[*] 狸の尻尾[*]

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