まさに「宮崎ジブリ」のことではないか。 この米林宏昌監督はとてもいい仕事をしたと思う。自然の描き方や表現の仕方は紛れもなくジブリのものだし、物の見方や感じ方（見せ方）も私が望むジブリのものだ。米林さんがジブリアニメを先頭に立って受け継ぐ人材であることはここにはっきりと証明された。 しかし宮崎駿のジブリ映画は滅びるのである。私たちはもう二度と『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』のような冒険活劇を観ることはできないだろう。 アリエッティは涙ながらに「私たちはそう簡単に滅びたりしないわ！」と言ったけど、でもやっぱり滅びる運命です。 もう誰もあんな冒険を頭で描いて私たちに観せてくれる人はいない気がする。それは今回この後継者の誕生をもって、はっきりと感じた。不安ではなくて確信に変わって、受け入れなければいけないのだと、強く思いました。 人はいつか死ぬのだから。 ディズニーが死んでディズニーアニメが衰退したように、後を継ぐ者はいても、細くなって消えていくのか。 わかっていても辛い。作品は永遠に残るとしても、思い出は消えないとしても辛い。（10/8/10　劇場）