最後の演奏シーンがこの映画そのものとも言える。出だしはちょっとぐだぐだしてても、メラニー・ロランの登場とともに一気にひきしまり、華やかに、ドラマチックに進みだす。

音楽に真摯に取り組むことで、つらい過去や悔しい思いを見事に人生を生きる力へと昇華させる。

言葉で書いてしまえばなんともベタだけど、それをチャイコフスキーの調べにのせてクライマックスで堂々と描いて見せた。この点では映画ならではの魅力にあふれた一本とも言える。