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[コメント] 抱擁のかけら(2009/スペイン)

映像や演技には文句ないのだが、どうしても気になる部分があり、自分の中では良作になりそこねた。
agulii

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画の編集がキーとなって進むというストーリーは工夫がきいていて面白いものの、ラスト付近で首をかしげた。

「会話を重ねて家族が誤解を解いて、和解する」という題材が同監督の『ボルベール』と似ていて、『ボルベール』の母子の和解シーンが素晴らしすぎるので、どうしても比べてしまう。

父と子が父の過去の恋愛話を通して距離を詰め、子がその話の真相を調べる、という流れはよかったのだが、母が絡んできてからはストーリーの流れが唐突だと感じた。 母が真相を話してから和解までが早すぎるというのもあるし、「実は〜だった」と言葉で説明するシーンが何回も続くのも不自然でご都合主義に思える。もう少しじっくりやってもよかったのでは……。

父の恋愛パートが素晴らしいだけに(というか、それがメインだと思えば良作なのだが、家族の和解パートも軽めに見積もっても恋愛パートと同じくらいの比重はある)残念。

この脚本は描くべき要素が多すぎるから、母の部分以外全てちゃんと描けている時点で監督の力量は確かだと思うので、こんな評価しかできなくて自分でも本当に残念。母のシーンがラスト付近じゃなかったら、気にならなかったかもしれない……。

(評価:★3)

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