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[コメント] 理想の彼氏(2009/米)

人物造形に肉薄する演出、それでなければ突き抜けたオプティミズムのかけらもないBAD作品
junojuna

 数多あるロマンティックコメディ風情の作品の例に漏れないパッケージフィルムであるが、その予告編を見る限り、企画力、演者、演出路線のどれをとっても見所がないという予想通りの結果となった不味い作品である。キャサリン・ゼタの本作出演というチョイスは、この灰汁のないマイナー監督の手腕によって、その女優としてのミステリアスな輝きを失ってしまったといえるほどのイメージダウンである。このひとたち(プロダクション)は映画のビジネスに目がくらんでしまっているのだ。その作りはやるかたない感慨に打ちひしがれてしまう適当加減である。すべて外側に決められたルールの範疇でのクリエイティブは底が見えて批評の行方も見当たらない。そう思えばこそ、ニューヨークの俯瞰、イケア、黒人、東洋人、アラムの息子ジークといった要素配置はあまりにも見苦しい。アメリカ製ロマンティックコメディはいよいよもって新たなステージへ突入しなければならない。これでは粗製乱造もいいとこだ。今こそ気負った作家を期待したい。

(評価:★2)

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