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[コメント] 天使と悪魔(2009/米)

前作よりは格段に面白くなった。でもそれは表面的な面白さでしかなく、時間とともに風化するものだと思う。映画としての味わい深さを大事にしてほしい。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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前作『ダ・ヴィンチ・コード』よりは、はるかに分かりやすく面白い。宗教的な事の理解不足が多少あったとしても、前回より追いやすい謎解きなど、尺の長さも気にならない展開はエンターテイメント性が高い証拠だと思う。

だけども、もういいじゃないかとも思う部分もあるんです。犯人に意外性を持たせる展開って、もういいよって思ってしまうんですよ。犯人だと思っていたけど、そうじゃなかったんだ。てか犯人かよ!!っていう展開。犯人が二転三転する事で驚愕させるとか意外性を持たせるとか度肝抜くとか、そういう小細工には正直もう飽きちゃってる。だからそこに意外性なんかない。むしろ犯人が二転三転する事で、観てるこっちは人物の深みにまで入り込む事が出来ないんです。なぜ彼がそういう犯行にまで及んだのか、そういう一人の人間としての葛藤が見えてこないし、キャラがなんだろ。駒のようにしか思えないんです。駒を動かすようにキャラを動かす、そういう無機質な展開に人間的なドラマ、それこそ底に内在する"天使と悪魔"を感じる事が出来ないんです。犯人が誰かっていう事よりも、なぜ犯行に及んだのかっていう事の方が大事だし、どうせ驚かせるならそこで驚かせてほしい。そこで度肝抜いてほしい。

確かに前作よりは格段に面白くなった(それなのに今確認してみたら前作につけた評価の方が高かったという不思議。でもあえて再評価しないでおきます)。でもそれは表面的な面白さでしかなく、時間とともに風化するものだと思う。映画としての味わい深さを大事にしてほしい。

あとねぇ、散々推理に推理を重ねて謎を解いていった割に、ラストは監視カメラかよっていう脱力感もちょっとあった。今までの推理、あんま意味なくねー!?とか思ってしまう。

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09.05.18記(09.05.16劇場鑑賞)

(評価:★3)

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