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[コメント] いのちの戦場 アルジェリア1959(2007/仏)

戦争の中での理想主義、人間性の喪失という点では、ありきたりな描き方にとどまっている。戦闘シーンなどは、派手さはないが独特の緊張感を漂わせており、丁寧に作り込まれているとは思う。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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何故、フランスが海を越えて200万もの軍隊を送り込んでまで戦争をしたのか。また、軍事力や装備で圧倒的なはずの仏軍が何故、勝てなかったのか。この辺の踏み込みがあいまいだから、ありきたりの戦争映画になってしまっているのではないか。そういうものとして見れば、可もなく不可もない仕上がりにはなっていると思う。

だが、宣伝コピーにある「アメリカがベトナムを描いたように、フランスもアルジェリアを描かなければならない」というブノワ・マジメルの意気込みと比べると、竜頭蛇尾に終わったような気がする。(もっともハリウッド製ベトナム戦争映画と比べてそう劣っているとも思わないが)

そういう物足りなさはあるが、アルジェリアの、植民地独立戦争に、かつての宗主国の映画人がその事実に逃げずに挑んだ、その第一歩としての意義は大きいと思う。

あと、捕虜が連れて行かれ処刑されようとする、その寸前に勲章を胸につけるというくだりは良かった。それを見て助けようとする軍曹や、家族の敵として撃ち殺す兵士など、戦争への幻想を打ち砕くシーンとしても、印象に残った。

(評価:★3)

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