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[コメント] ブラインドネス(2008/カナダ=ブラジル=日)

目が見えなくなることで、今まで見えなかったものが見えてくるというのがコンセプトだと思うが、見えているこっちには描写不足で伝わらず、単に腹の立つ映画となってしまっている。
CRIMSON

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 突然の失明で原因は不明。何故ジュリアン・ムーア がかからないか不明のまま唐突に治る。まあ失明のパニックを描くことよりも、そうなった時に出てくる本性を描きたかったかもしれないので、変にとってつけたような理由があるよりはいいかもしれない。

 しかし登場人物の掘り下げが足らず、その人が失明でどうなったか、失明前はどんな人物だったか分からない為盛り上がらない。3号の王様宣言した人物も唐突にも拘わらず誰も逆らえず不思議だった。彼だけが見えている、もしくは生まれながらの盲人というのなら、王様というのは分かるが。途中に出ていた生まれながらの盲人も立場が上がった描写があったので、そういうところで話を膨らませたら良かったと思う。

 見ているこっちは(当たり前だが)見えているだけに、何故彼らがそういう態度・対応を取るのか分かりにくく感情移入できなかった。女性が襲われるシーン、あそこは描写を避ける為暗くしたかもしれないが、逆に真っ暗で彼らはこういう世界に生きているんだと納得できた。

 皆が失明したらどんなパニックが起こるかだけをテーマにしているだけで色々中途半端。人間の心に潜む醜さを描きたかったかもしれんが、それを見せるのは一部の人間だけで、単にあいつらに腹が立ったぐらいで全く効果的ではない。皆がそういう面を見せているなら、もっと怖かったかもしれない。

 胸を見せない木村佳乃 にはちょっとがっかりだったが、ラストの旦那の治癒に見せる笑顔がとても良かったので帳消しとしとこうか。カメラをガン見はおいといて。

(評価:★2)

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