そうなんだね。そういう静かな沸々とした思いがこの映画を見ているとじわじわ沸き起こる。

主人公は妻と一緒に中学を過ごした郷里に帰る。人生の卒業写真を撮るためだ。しかし、初恋の人を思い出そうと、彼女のことで脳裏がいっぱいになる。

何か、男って身勝手だなあと思ってしまうが、彼らの初恋は人生の出発点でもあったのだ。だからそんじょそこらの恋愛ものではない。卒業を見つめることは人生の基本地点、出発地点を見つめるということであり、それをやらないと自分の人生を省みれないのだろう、、。

誰にも訪れる死というものをペシミズムに陥ることなく、冷静にさらりとスケッチのように描いているこの映画は地味だけれども、必見の映画である。誰にも見てもらいたい映画であります。