オープニング、チャイナタウンの夜景ショットから、憤って早足で歩くヒラリー・スワンクをジェラード・バトラーが追う姿にカメラが移動していくあたりから絵が決まっている。

アイルランドの風光明媚は、最初の空撮から観光映画っぽさが感じられてやや白けさせられるきらいはあるが、こちらも悪くない。スワンクがリサ・クドロー、ジーナ・ガーションとボートで大騒ぎするシーンが微笑ましい。男性キャストも、バトラー、ハリー・コニックＪＲ．、ジェフリー・ディーン・モーガンと、それぞれに好漢ぶりがうまく演出されている。そして、キャシー・ベイツはいつもながらの安定感で締めてくれる。

ただし、これはスワンクじゃなかったほうがよりよい映画になったのではないか、という意見には自分も同意。上手いのは認めるのだが。