[コメント] パリ、恋人たちの2日間(2007/仏=独)
映画を見終った人むけのレビューです。
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マリオンのキャラはそのまま「Before sunrise」と「Before sunset」のセリーヌ(インテリでフェミニストな愛の探求者)なのだけど、同じ奇跡は起こらなかった
ジュリー・デルピーは女優としてもミュージシャンとしても非凡だし、アメリカに渡ってもフランス女優然が色あせなかった稀有な存在である
でも、今作のようなコメディをやるにはハクがつきすぎている。自身は制作にまわり、別のブロンドのフランス女優を使うべきではなかったか?
「売り」であるインテリな会話はとても楽しい。でも、そのテーマや主張ばかりが先行していて、少々うるさい感がある。アメリカ人がフランス文化に戸惑うシノプシスも使い古されている。「Before sunrise」と「Before sunset」が会話スタイルで成功したのは、アメリカ人の監督が少なからずアメリカのロマンチックコメディの雰囲気を踏襲したからではないか。
それから、フランスのキレイな町並みもデジタルカメラでは魅力も半減であった。やはり映画は資金不足でも16ミリで撮らないと!!
しかしながら、ジュリー・デルピーの魅力とはその雑多感にあるのかもしれない。フランスとアメリカ、映画と音楽、コメディとシリアス、重厚さと軽快さ・・・とにかく頭に浮かぶアイディアを全て詰め込んで、「今のワタシはこれ!」というような気分が伝わればいいと思ってるのかもしれない。
わたしたちはただ、商業主義と一線を画す彼女のスタンスを賞賛すべきなのかもしれない。
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