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[コメント] トゥヤーの結婚(2006/中国)

欠けたものを埋めようともがく人々の滑稽さと悲哀
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







意外にも結構笑ってしまった。 だって、脱輪した高級車の横をラクダがのんびり歩いてるなんて画面(えづら)、笑うだろ?

トゥヤーという女性一人を巡る男性陣という、ねるとんで言うところの「ちょっと待ったぁぁぁ」と集まった男どもが「よろしくお願いしまっす!」と一斉に手を出している構図の映画。 馬でバイクで自動車で次々と現れる男どもに「どんだけ嫁不足やねん!」と笑ってしまうのだが、面白いのは男性陣が皆「欠けている」点にあると思う。

トゥヤーの旦那は働けない身体。隣の男や幼なじみは妻に逃げられた男。 皆、欠けたものを彼女で埋めようとしている。埋めようともがいている。 そしてトゥヤー自身も、欠けたものを埋めるべく選択をする。

常に広大な大地を中心に据えたカメラは、2度ほど大きく空を写す。 空に写るのは大きく欠けた月。そして満月。

だが彼女の選択は、決して全て満たされた結果にはならない。ならないだろうと予感させる。 厳しい自然の中での厳しい生活。 ちょっと滑稽だった分、よけい痛切に感じる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)青山実花[*] 水那岐[*]

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