[コメント] カルラのリスト(2006/スイス)
世界は平和の為に現にいま闘っている人間がいる事をもっと知るべきである。特に日本人は。(※映画もドキュメンタリーだし暴走気味のreviewをお赦し下さい)
勿論、平和の為の闘いとは、世界中に展開している米軍の事ではないし、大東亜共栄圏と称しアジアを侵略した日本軍の事でもない。
欺瞞に満ちた安全保障理事会を後ろ盾にせざるを得ないギリギリの状況の中で闘う、カルラたち国際刑事裁判所(ICC)の国連検察官。国際原子力機関(IAEA)や国連査察団(UNMOVIC)の活動で、大量破壊兵器(WMD)の根絶を訴え続けるハンス=ブリックスやモハメド=エルバラダイ。秋葉忠利=広島市長や伊藤一長=長崎市長が中心となって世界に核兵器廃絶を訴え続けてきた平和市長会議。限られた予算で平和への闘いを続ける国境なき医師団(MSF)・アムネスティ・地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)などの国際NGO。作家・ジャーナリスト・個人…。
平和憲法を擁する日本はこの60年間、何をしてきたのだろう? ヒモつき円借款? 給油が国際貢献?? 「唯一の被爆国」と自称し乍ら唯々諾々としてきた平和国家日本に、余りに欠如してきた(している)本当の平和教育。自虐史観だ戦後レジームの一掃だなどと嘯く暇があったらやる事があるのではないか? イラクで活動してきた邦人への、苛烈を極めた「自己責任」バッシング…。
そしてーーー
日本人にとってこの映画から生じる捻れた感情は、やはり「極東軍事裁判」の問題である(勿論、成立根拠を含め裁判の構成自体がICCとは全く違う事は忘れてはならない)。日本政府高官の戦争犯罪人たちは、裁かれ、処刑された。この映画の訴える所と別の問題であるにも関わらず、やはりこの事を抜きには出来ない。
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