正直目を背けたくなるような場面もあったし、あそこまで気持ち悪くする必要があるのかとも思ったが、段々とそういう思いを吹き飛ばすようなテンションとクオリティに圧倒されていった。

時代やジャンルを問わず、傑作と呼ばれる作品には、まるでヤクでもやりながら作ったんじゃないかと思えるような一種異様なまでの作り手の情熱や、密度＆テンションの高さなどを感じるものだが、本作もまさにそういうような感触のする映画だった。

フェリーニの「アマルコルド」やベルイマンの「ファニーとアレクサンデル」などと並ぶべき種類の映画じゃないかと結構本気で思う。全然違うけど。違うけどこれも傑作だと思った。

だからロドリゲスはこれを遺作にすればいいんじゃないか。タランティーノもこのド変態役をやれて大満足だろうからこれを遺作にすればいい。ていうかもうみんなこれを遺作にすればいいんだ。かっこいいから。

あえて言えば女医さんの活躍がもう一段階、さらにラストの盛り上がりにもう一段階あれば…大傑作となったに違いない。

＊ちなみにゾンビ映画としては別に評価していない。