[コメント] フランシスコの2人の息子(2005/ブラジル)
現実という、残酷で美しい世界。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まさか「2人の息子」が途中でメンバー交代するなんて思いもよらず、本当に胸が張り裂ける思いでした。エミヴァルの事を思うと、そしてミロズマルの事を思うと、今も心が疼きます。あの頃はどういう気持ちで歌っていたんだろう。そして今なお歌い続ける、ミロズマルのその心には何があるんだろう。作り話ではありえない展開に、現実の持つ残酷さと美しさを見た気がします。
無理に子供に音楽をさせる父親。嫌がる弟。歌い続ける兄。夜遊びの言い訳に音楽を使う若い弟。嘘を鵜呑みにしてギターをプレゼントする父。売れない曲。父の必死の想い。何もかも映画として面白みのあるテーマであるにもかかわらず、まるでドラマチックに仕立て上げないその演出もとてもよかったです。事実。そこにあるのは事実だけ。そういう目線がなおさら現実の残酷さを際立たせ、人生の美しさを再認識させてくれたのだと思います。
ラストの家族での謳歌はまさに彼らの人生そのもの。人生ってまんざらでもない。そう思わせてくれる、包容力のある作品でした。
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08.02.04 記
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