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[コメント] トランスフォーマー(2007/米)

マイケル・ベイは『ザ・ロック』『アルマゲドン』辺りが頂点だったのではないかと勘ぐってしまった。 2009年6月26日DVD
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そもそも最初からマイケル・ベイにはある種のものを除いて一切のことを期待していないので(だから俺は好きなのだけど)、これだけの作品であればとりたてて批判する理由は特にない。そもそもロボット・アニメにあまり強い思い入れのない僕にとっては、(発想としてはマイケル・ベイと同じく)ラプターが空を飛び、米軍が市民(の犠牲)を巻き込みながら壮大な市街戦を展開してくれるだけで、もうそれだけでいいのだ。ロボットだって、スローモーションでクルクル回ったり、プールの中からグワーと出てきたり(あれ、『エイリアン2』のパロディですかね?)、まぁ個々のかっこいい映像があれば、もうそれだけでいいのだ。

――と、見ている時は思っていたはずなんだけど、見終わった時の不完全燃焼度の異常さってのは、なんだかものすごい半端ない。「『アルマゲドン』の100倍すげえ」っていうセリフがあるけど、「NYに隕石」という画の方が、俺は100倍すげえと思っちゃうんだけど。おまけにベタな自己犠牲に親子愛に愛国心に、、、いや、『アルマゲドン』の方が(いろんな意味で)100倍凄い映画だよ、絶対。

2時間半という長尺(最近では珍しくないけど)をこれだけテンポ良く見せきることや、個々のショットのかっこ良さとか、やっぱりマイケル・ベイってのは素敵だなーと思うことは多々ある。だけど、あくまで一本の映画として見終わった感想としては、「んー、もういっか」みたいになってしまうのは、単に彼が右肩下がりだからなのではないかと思ってしまう。

だから、見終わって「いやー、すごかったなー」という感想は残ったけど、『アルマゲドン』を見終わった時みたいなある種の突き抜けた爽快感や、『ザ・ロック』を見終わった時のあの「燃える」感じが殆どない。とは言っても『パール・ハーバー』よりは面白かったからいいんだけど。(勝手に理由を考えると、全体的な構成の問題もさることながら、結局終盤のシーケンスが収束していくまでの流れが、メリハリがなく、ただ爆発とアクションの連続になってるだけだ、という所にあるかなと思う。それに、ビッチお姉ちゃんが大活躍し過ぎたおかげで、誰が「ヒーロー」なのかわからなくなったお陰で、どこに収斂してんのかさっぱりわからないから、意味のわからない「ハッピーエンド」になってることが、問題なのではないかな、と。いや、どうでもいいけどね。)

とにかく、続編含めてお小遣いを稼いだたら、ぜひまた(中身すっからかんの)「燃える」アクション映画を作って欲しいなぁと思っちゃうわけです。この人のそういうところ、僕は凄く好きなので。(とはいえ、一応は、この映画も中身すっからかんの「燃える」映画ではあるけど。)

なんだか、『トランスフォーマー』を見て、作品単体としてよりも、マイケル・ベイの上手くなったんだか下手になったんだかよくわからないトランスフォームっぷりに、少し落胆した。まぁ、ラプターかっこ良かったからいいけど。

(評価:★3)

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