[コメント] 深夜復讐便(1949/米)
これは犯罪映画であるのと殆ど同じぐらいのレベルで、林檎を市場に運ぶ輸送の映画だし、或いは、リチャード・コンテとヴァレンティナ・コルテーゼとの恋愛映画だ。そのいずれにおいても見応えがある。
犯罪映画としての側面は、史上最強の悪役俳優と云っても過言ではない(というような云い方をしたい俳優は何人かいますが)リー・J・コッブが担っていて、こゝでも圧倒的な存在感なのだが、林檎のトラック輸送シーンのスリルとスペクタクルは間違いなく本作の最も強烈なシーンだし、コルテーゼの"身を持ち崩した女"の複雑な造型が本作の満足感に随分と寄与していることも誰の目にも明らかだろう。複雑ということで云えば、主要登場人物全員が、単純じゃない。コンテの相棒となるミラード・ミッチェルも、当初邪魔な存在にしか思えなかったジャック・オーキーとジョセフ・ペヴニーのコンビも、プロットの展開に伴い、異なるキャラクター面を見せ始める瞬間があり、驚きが継続する。ただし、コンテの恋人・バーバラ・ローレンスもがらりと変貌するのだが、この描写はちょっと嫌らしい。
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