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[コメント] 檸檬のころ(2007/日)

理由なんか無いし、要らない。映画全体が「イマイチ」でも、普段なら★3とかつけるような映画でも、無条件で涙が溢れた瞬間を大切にしたいから。 2007年5月24日劇場鑑賞
ねこすけ

作品として、物凄く不満はある。

特に不満があるのは、糞マジメに作り過ぎな点。

実は初めて予告編を見た時、「カミングスーンって感じ!」という台詞に思わず苦笑して、「まさか小説にこんな台詞を書くのか?」と思って興味本位で原作を読んだ(確認したところ、コレは映画版の脚色の様子)。そういうわけで原作を読んだ上での鑑賞なのだが、その印象が「糞マジメ過ぎる」という点。

原作も映画版同様、多くの登場人物が相互に交わって一つの物語を形成していく、一種の短編集のような形を取っている。映画版では、ある程度の軸を当然持たせて描かれているのだけども、正直言ってエピソードを徹底的に盛り込もうとし過ぎている気がしてならない。映画がパンクしているとしか思えない。

他にも映画作品としてみて、物凄く不満が残る。それを細かくあげることは簡単だし、この作品は「イマイチ」という言葉である意味十分事足りるとも思える。

だけど、それでも尚、守りたい物語が一つだけあって、その物語は、あまりにも自分にとって大事な物語なので(一応言っておくと、それは遠距離恋愛とかの話ではない)、しかもそれは原作に無い物語で、なんだ、その、もう、理由なんか無いんだ。

どんなに不満があっても、あれがあったから、この映画を認めざるをえないし、認めたい。あのエピソードを足してくれたこの映画には、凄く感謝している。(ここに、その「それでも尚、守りたい物語」が何かは書かない。そしてまた、自分がなぜそこをそう感じたのかは・・・自分でもわからない。)

とりあえず、その時自分がどういう感じだったかと言うと

「ロックがギューンってかかったの。初めての生理がまた来た感じ!カミングスーンって感じ!」 「ナウ・オン・セールですね?」 「今の気持ち、ノー・ミュージック・ノー・ライフって感じ!」

みたいな感じ。ウワッ、コレ、俺が初めて予告編で見て苦笑しちゃったシーンだよ。

(評価:★5)

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