良くも悪くも相変わらずで、個人的には「三池ですよ」と覚悟して観れば２時間くらいあっという間に経ってしまう。特に塩谷とサエコが巡り巡って再びコンビニの前に戻ったシーンは「落差」を描いて秀逸で、ここだけでも三池の才覚というのは充分に感じられるわけです。ただ、長年の粗製濫造が祟ってかホームグラウンドであるはずのヤクザ映画なのにプロットも描写も破壊力に乏しく、原作の世界観どころか過去の三池作品にも遠く及ばない出来と思う。私はゲーム自体はサワリくらいしか知らないのだけれど、こんなにゆるーく筋だけトレースされたらＳＥＧＡの人たちも怒ったらいいのか笑ったらいいのか判らんのじゃないのかしら。

　全編においてそこそこ楽しい映画ではあるけれど、三池崇史ってそこそこ楽しい映画をつくる人じゃないはず。ですよね。