[コメント] わたしを深く埋めて(1963/日)
あなたを深く埋めたい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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よくできたミステリーだが、欧米原作のためか「歯の浮く感じのする」というタイプの作品で、その意味では深く埋めるというより、おもしを重くした方がよかったのでは、と思った。最後で一気に真相を明かす構成も、それを初めから悪意をもって計画したのではなく、その都度女の感情がなさせたと解釈を変えてみせる手腕も、実に鮮やか。若尾文子は、これ以上ないというくらいの妖艶さ。田宮二郎も、表面的で軽薄に陥りかねない役柄を見事にコントロールしている。江波杏子、川崎敬三、安部徹ほか、名前もよく知らん役者陣まで、みな健闘している。したがって、それでも重しの足りなかった作品、と言うべきかもしれない。
☆ ☆ ☆
この罪深い私が死んだら、まかり間違って成仏できなかった魂が再び地上にさまよい出たりすることのないように、深く、深く埋めて、という意味かと思ったら、違った。真逆だった。世間の悪意や、あなたの恨みが届かないように、地中深く埋めて、という意味だった。とするならば、「あなたを深く埋めたい」と言ったとしたらそれは、世間の悪評や恨みつらみから、あなたを守ってあげたいという、愛の言葉なのだ。伝わりましたでしょうか?
75/100(12/07/08見)
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