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[コメント] バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2007/日)

これはSFというよりかファンタジー。
BRAVO30000W!

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 SF的要素を求めてしまったらBTTFはおろか、『サマータイムマシンブルース』にも敵わないだろう。他のレビュアーの方が書かれているように「バブル時代を懐かしむんだか自虐的に嘲笑するんだか中途半端な映画」と言われても仕方がないと思う。

 ただ、リアルにバブル期を表現するような社会派作品でもないわけだから、昨今のケータイ小説よろしく「主人公はみんな幼い頃にレイプされて自殺未遂してホストに弄ばれる」みたいなネオ・ステレオタイプなストーリーテリング形式はアリだと思う。好きか嫌いかと言われれば嫌いな部類なんだが、映画館に客を呼ぶにはもはやこういう陳腐な見せ方ではないと見てくれないという現状の裏返しだと思う。シネスケのレビュアーの大半はそんなことないだろうから胡散臭く見えてしまうとは思うのだが。

 この作品のSF的辻褄合わせのユルさには目を瞑るとして、面白いと思ったのは、現在も過去も決して肯定的に捉えられていないところ。そして、過去を変えた先の未来があまりにも幻想的すぎるというところ。この作品に大きく前面に出てくるメッセージとしては「家族の絆」とか「父親の責任」「母親の自立」みたいなものだけで、あとは全て自虐的なまでに滅茶苦茶な世界を見せている。

 惜しむらくは最初の2007年の特殊メイクがバレバレで、過去に戻ったときの「若さ」がベタすぎるところか。薬師丸ひろ子だけは逆に過去の方が老けて見えてたけど、これを無名の俳優たちが演じたら、また作品の見え方も違ったんだろうな。客は入らなさそうだけど。

 監督の馬場康夫が元日立製作所の宣伝部に所属していたとはいえ、日立の洗濯機をタイムマシンにできたのは爆笑した。BTTFが冷蔵庫をタイムマシンにするつもりだったのを、子供が真似するかもしれないという理由でデロリアンに変えたのと違って、子供が見ないことを前提に(見てる子供もいるだろうけど)ドラム式洗濯機にしているのは潔いというか何と言うか。まあ、これのおかげで広末涼子の水着姿が拝めたと喜ぶ人も多いだろうからよしとするか。

(評価:★3)

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