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[コメント] 一日だけの淑女(1933/米)

とてもいいシークエンスがふたつ。ひとつはギャング連中がハイソなパーティの練習に延々取り組む件で生気に溢れている。キャプラは群衆に個性を与えるのが本当に上手い。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







それはまた埠頭の群衆シーンにも云えることだろう。

もうひとつはメイ・ロブソン告白の件で、突然の緊張が走る抑揚の巧みさ(ロブソン入場を引きのキャメラで捉え続けるショット)が際立っている。

この告白は中断され、彼女の嘘は喜劇的に救済されることになるのだが、私は反対。ここは正直に告白してなおハッピーエンドにすべきだった。嘘はキャプラ=リスキンらしくない。

全体には、リンゴと幸運というウォーレン・ウィリアムがロブソンを庇護する仕掛けが機能しておらず、無理矢理感が残ってしまっている。あと、ビリヤード映画として秀逸なのは大いなる美点。中盤の、一打で全部ポケットに入る技はその筋で有名なものだが、出処は本作なのだろうか。

(評価:★3)

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