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[コメント] 失われた地平線(1937/米)

キャプラにこういう映画はとって欲しくなかったと思いながらも映画技術は見るべきところありのSO-SO作品
junojuna

ロナルド・コールマンの顔は良いのではないか。さらにDVDの特典メニューで詳らかにされる制作秘話もなかなか面白かった。しかしながら、キャプラ特有のオプティズムがやや教条臭くこうした題材に寄ったという点は、なんとも晦渋じみた作品ではある。しかしながらクライマックス、シャングリ・ラ宮殿内を行進するたいまつの一群を、テイオムキンの壮麗な音楽とウォーカーの映像テクニックで繰り広げられるさまは、映画的な興奮を十分に高めるのに効果的だった。映画技術の粋を見せしめた格好の演出だったと思う。ともあれ、スニークプレビューの結果、改変された本編。この出来を不本意としたキャプラ自身が焼失させたためのフィルムの未完成状態など、さまざまに曰くつきである本作は、評するのに微妙なポジションにあることは否めない。つまり完成型ではないものに、どこまで言辞を呈していいものなのか。本作は呪われた映画の部類に入る一編であろう。ロナルド・コールマン・・・なかなかいい俳優だと思うが、他ではなかなか見当たらない。いろいろと「失はれた映画」だ。

(評価:★3)

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