[コメント] Sad Movie サッド・ムービー(2005/韓国)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
愛って終わる瞬間が一番輝くものなのでしょうか?私はそうは思いません。
オムニバス形式っぽいこの作品には4つの「別れ」が描かれていますが、そのうちの「別れさせ屋」と「消防士」のストーリーがものすごくウソ臭い。というか胡散臭い。「消防士」の話では、あんな火事の中ビデオレターめいたものを撮るのが可能なのかとかふと我に返ってしまったし、「別れさせ屋」の話では、苦しむ病人を前にメッセージを淡々と述べるあのシーンで"そんな事ありえんだろ!"と思ってしまったし、とにかく「別れ」を美しく、綺麗に魅せようとする強引さが妙に鼻につきました。
大体、人の悲しむ姿を観て自分も泣いて鑑賞後に「あー面白かった!」って笑顔になれるかと言われれば・・・うーんなれない。だからと言って何か考えさせられるような問題提起もないから、鑑賞後に悶々とする事もない。どちらかと言えば娯楽色の強い作品なだけに、どう捉えていいのか正直戸惑う部分がありました。
ただ、「ロッテワールドの女の子」の話はやはり同じような匂いはあったにしろ、人命にかかわるストーリーではなかったし、未来が見える別れというのか、ある程度そこに「輝き」を感じ取る事が出来たので良かったと思います。
それから「母子」の話はある意味王道というか、もうこれで泣かずにはいられないよなっていう作り。ただ王道パターンなだけに使い古された感は否めませんでしたが、子役の男の子の演技力でぐっと引き締まったもになっているなという印象。
総合して見ると、「別れ」を美しく魅せるという事自体なんとなく・・・悪趣味に感じてしまった為、イマイチ作品にのめり込む事が出来ませんでした。クッソー見なけりゃ良かった!みたいな怒りは感じないんですが、なんだか…後味はあまり良くない映画でした。
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06.11.20 記
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