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[コメント] フォーリング・ダウン(1993/米=仏)

おもしろい映画を作ることにかけては人後に落ちないジョエル・シュマッカー監督の異色作。アメリカ白人男性の本音が垣間見える傑作である。
双葉三十郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 マイケル・ダグラスの鼻のクローズ・アップから始まるこの映画は開巻一番から主人公の”いらだち”と”あせり”を表現して「この映画ただもんじゃねえぞ」と思わせてくれる。

 そして、彼は行動する。朝。ラッシュで渋滞する車を乗り捨てて…

 彼の望むことは「1950年代のアメリカに戻せ!」という途方も無いこと。しかし、アメリカ白人なら(特に男性)誰もが思う「古き良きアメリカの繁栄」があったのだ。

 しかし、今は違う。女性は男性と同格で、満足に英語の話せない「アメリカ人」が闊歩している。

 彼は自分の願望を叶えるため、ある行動に出る。それは「今のアメリカ」では許されないことなのだ。

 ”プア・ホワイト”の現状をエンターテイメントに昇華させた成功作。  彼の行動が独りよがりながら、ある種の「アメリカ人」を代弁しているところがミソ。

 アメリカの病巣の深さを告発したことで、この映画の存在価値がある。

 文句なしの傑作である。 

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)YO--CHAN

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