コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] サラバンド(2003/スウェーデン=伊=独=フィンランド=デンマーク=オーストリア)

わが敬愛するベルイマン監督、20年ぶりの新作。彼の映画はもう見られないと思っていたので、映画館で映像を見られる至福にそれだけで酔いしれる。おまけに、俳優もベルイマン映画の常連の二人が主役。見ごたえがある。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ベルイマンの演出力は落ちてはいない。相変わらず人間の業を暴いてゆくその粘着性に逆にずっと見てきた僕の方が驚いてしまう。20年経っても人間って変わらないのだろうか、、。

父と息子、母親と娘といった人間本来のまたはベルイマンの持つ愛憎劇への永遠のテーマは執拗だ。改めて、人間の普段隠している仮面をひっぺ返し、剥き出しの真実を抉り出していく。その手法は過去のリフレインとは言え、秀逸だ。

その重層的な主題は目を背けたくなるものでもあるが、人間を救いへと導く過程でもあるのだろうか、、。

ベルイマンの拘りと人間不信はいよいよ死に近づいている老齢になっても変わらず、僕の中に新しいベルイマンが入り込もうとしているようだ。

それまでの集大成というより、エキスを再提示した感じであろうか。若い人もご覧あれ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。