[コメント] パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト(2006/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
1作目と比べてどちらが面白かったとか、そもそもこの映画が面白いのか、実は僕にはあまりわからなかったりもする。ただ、このシリーズが好きか嫌いかで言えば、間違いなく「好き」と言えるのだ。
1作目が予想以上の大ヒット、それを受けての続編製作で、しかも2作目と3作目を並行して作る3部作構想。観てみると、ジェリー・ブラッカイマーが世に送り出したかったのは、海を舞台にした『スター・ウォーズ』であり、万人が共通で楽しめる大型イベントムービーだった。
『スター・ウォーズ』新3部作も、『ロード・オブ・ザ・リング』も終わった今、確信犯的に仕掛けてきたブラッカイマーの罠に、罠だとわかった上でかかろうではないか! その方が、3作目も含めて、映画鑑賞という娯楽を楽しめると思うのだ。なので、僕はキャラクターが描かれたカップのポップコーンセットを食べながら映画を鑑賞したし、次回作の限定前売券も鑑賞前に購入した。潜在的にイベントムービーを欲している自分がいて、そのときは映画を観る視点すら変えることができてしまうわけだ。
だから、悪い意味ではなく、内容なんてどうだっていい。前作の細かい部分を忘れていても気にしないし、もはや整合性すら求めていない。クラーケンにはどんどん暴れてほしいし、アクションシーンはムチャクチャ度が高い方がいいし、展開や設定が『スター・ウォーズ』に似ていれば似ているほど歓迎してしまう。
ただ、そこまで至ったのは劇中のキャラクターが生きているからこそだ。ジャック・スパロウ、ウィル・ターナー、エリザベス・スワン。この3人は有名俳優が演じていようが、俳優のことは考えず“キャラクター”として捉えられるところまで来ている。そこまで来ると、非常にエンタテイメントらしい、“キャラクターもの”としてきっちり楽しむことができるのだ。キャラクターがいいから、次も彼らと一緒に冒険したいと思える。そう思わせられないと、なかなか『帝国の逆襲』的な引っ張り方はしづらいものだ。
次回作では、ウィルと父親・ビルとの物語、ウィルとエリザベスの恋の行方、ジャック・スパロウの消息、そしてクラーケンやデイヴィ・ジョーンズの謎などなど、物語的なお楽しみ要素は満載。さらには、ジャックの父親役でついにキーズ・リチャーズ登場という小ネタも用意されている。新たなイベントムービーとして、次も楽しみにしておこう。
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