[コメント] 母を恋はずや(1934/日)
一巻目のフィルムの失われていることが心から悔やまれる。というのも、少年時代のパートにこそ傑出したショットがあったからだ。
兄弟が巨大な校舎を背景にじりじりと後ずさりするショット。画面奥へ向かって雪道をとぼとぼと歩くショット。ふたりの子供の不安感と悲しみ、幼さゆえにその不安感や悲しみを正確に認識することすらできていない感じが画面から滲み出ている。 家族四人の真に幸福な光景が収められているはずの一巻目があれば、この感じはさらに強められていただろう。
ところで、他の小津作品に比べ仰角のカットが多かった気がするが、気のせいだろうか。
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