[コメント] ブルグ劇場(1936/オーストリア)
繊細で好ましい作品。老人の若い娘への勘違いとは高齢化社会に頻発するトラブルかも知れず。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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舞台の疲れたプロンプターからアップで桟敷まで捉えるキャメラからしていい。招待状をふと盗んで、返そうとして、そのとき相手が戻ってきて返せなくなるという繊細な演出。「歌曲が好き。一日を反省させてくれる」といういい台詞。会いたくないという男爵夫人に「お会いになる義務があります」と説く側近もいい。こういう端々が劇を盛り上げている。
本作の褒め処は誰も悪役にしなかったことだろう。それは小さなラブコメに相応しい。ラストのウェルナー・クラウスの派手な舞台愛の奇怪さは、親ナチとなった彼に相応しいものだったのかも知れない。ブルグ劇場は45年に爆撃で焼失しているとのこと(後に再建)個人的には嫌いな『未完成交響曲』と同じ監督とは思えない。
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