[コメント] フライング・タイガー(1942/米)
「カミカゼ攻撃」はなにも日本人の専売特許ではない、ということが理解される。しかし、戦意高揚映画をカラーで娯楽映画仕立てに撮る国の、この余裕といったらない。(モノクロ版を掴まされた方にはお気の毒に…)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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空中戦はなかなかに見せる。なぜか日本機に日の丸もなにもマーキングされていないのには首を捻るが、リアリティは充分。ただし、被弾した日本兵がみんな両手で顔を覆い、指の隙間から血が流れ落ちる連続で、これは芸のないところ。
だが、この手の映画で無鉄砲かつ自己中なお調子者、ジョン・キャロルを出してくるあたりに、娯楽映画に見せかけた巧妙な愛国演出を感じる。彼が命令を無視してかわりに隊員がひとり死んだことにより、初めて責任を感じたキャロルはニトロを満載した爆撃機ごと日本の軍用列車に突っ込むのだ。なんだい、アメ公だってカミカゼにカッコ良さを感じるんじゃないか。日本人のことは言えないぜ。
ともあれ、戦争映画としては類型的ではあれ、ちゃんと今でも観られるクオリティは保っている。
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