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[コメント] バオー来訪者(1989/日)

誰に誓った!自分に誓った!望みは捨てない!自分は最強の生命力を持った生物なのだ!
てれぐのしす

荒木飛呂彦が天才的だったのは、とにかくセリフの言い回しのセンスだった。(いやこれは現在も何ら衰えることないから過去形で語るのは失礼だが)ただ、不思議とこれらのセリフは、実際口に出すと恥ずかしいのだ。この後登場する荒木作品であり恐怖の長寿連載となった「ジョジョ」が、テレビアニメ化されなかった最大の理由はここにあるんじゃないかと思う。(もちろん実際には「人が死にすぎる」とか色々あるだろうが)

膨大な資料で得た「情報」と緻密な「画力」を誇る漫画家は数多い。それはもちろんたゆまぬ努力の賜物であり、尊敬に値するが、荒木の場合は「知性」と「センス」という、努力とは別次元の天性の資質で「血まみれファンタジー」の世界を構築する。だからこの分野は荒木の独占市場なのだ。系統としては寺沢武一がその祖とも言えるけど。

原作の世界が完成され過ぎていて、アニメ化すると変になるケースは別に珍しくないから、この作品に関して、あまり酷評する気にはならない。むしろ原作の偉大さと、ジャンプという雑誌の、あの過酷な状況で、しかも打ち切りだったと言うのに尻切れトンボになることなく、見事に「短編」としてまとめた若き日の荒木の天才ぶりを、あらためて知らしめるにちょうどいい作品という位置づけでいいんじゃないかと。

「僕は行くぞドレス、お前たちの所へ!僕はお前たちにとって脅威の来訪者となるだろう!」

く〜〜〜〜〜!かっこよすぎるぜ育朗!

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)uyo[*] 水那岐[*] 佐保家

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