[コメント] -less [レス](2003/仏=米)
「クリスマスって時期なのに、やけに蛙が騒がしいな」なんて言ってる場合じゃない。内外から圧迫され、どこにも逃げ場の無いとびっきりの恐怖を提供してくれる。恐怖感の種類も様々だが、この恐怖の質は好み。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
学生の頃、飲み屋でのバイトが終わると、車2台に分乗し6・7人のバイト仲間でよく巷で噂の恐怖スポット巡りに出かけた。目的地に到着する迄恐怖話とかで盛り上がりながら。ついさっきまではお客でワンサカ賑わうホールに数時間身を置いていた為、結局幽霊は出てこなくても静寂としその漆黒の闇に包まれた恐怖スポットにピーンと張りつめた異様な気配を感じたものだ。
この作品はそういった俺の記憶を鮮烈に蘇らせ、さらに映画的イマジネーションで増幅してくれた。もうワクドキ感充分の異次元スリラーだ。
僅かな月明かりと車のヘッドライト、いつ切れるか分からない一本の懐中電灯が頼りという心細さ(やっぱ光が無くなると人間って色んな意味で弱いし)。後は堂々巡りの闇ばかり。そして何者かによる魔の手で一人また一人と着実に増えていく犠牲者。その恐怖に耐えられず正気を失う家族(特にお母さんの壊れっぷりが凄まじかったね)。今こそ一致団結しなきゃならない時にこれじゃヤバイ、けど大いにありうるかも。色々と推測の余地を残したラストもありがちながら超好みだ。「黒い車」「マーコットの標識」「赤ん坊を抱いた女」「精神科医の卵である娘」といったキーポイントにも一応意味を持たせて蔑ろにしてないのも好印象。加えて音楽や効果音の使い方もGood。
まあ、久々に大満足のスリラーを観たね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。