これだけ八面六臂の大活躍男が、自分の人生の主人公ではないというのが意外。最後、寺田農似の元ボスに向かって、「お前の言い訳は聞かねえ。何を言おうが、俺を裏切って陥れた奴は絶対に許さねえ」とでも言うのかと思ったら、半ベソで「何で俺を見捨てたんだ！？ 7年もあんたに忠節を尽くして仕えたのにっ。何度考えても、まったく理由が分からねえ」だって。

　ちなみに、同じイ・ビョンホン主演のTV ドラマ、『アイリス』でもこの「なぜ僕を見捨てたのか？」が重要なモチーフだった（見捨てるボスが“寺田農”なのも一緒）。

　韓国人てのは、目上の人の前じゃ煙草も吸っちゃいけないとか聞いたこたあるが、忠義・忠節なんてのもグッとくる人たちなのかねえ。その意味じゃ確かにこりゃ甘い生活（La Dolce Vita）というより“犬”の生活だ。

　“忠臣蔵”なんて、韓国人のお気に召すのでないか。

70／100(13/11/6)